この記事はこのような方にオススメ
- DAOが何か知りたい
- DAOとWeb3.0の関係を知りたい
- 仮想通貨(暗号資産)の購入を検討している
仮想通貨(暗号資産)の根幹となっているブロックチェーン。
Web3.0が本格化するにあたってDAOという組織体制が注目されています。
DAOって何?
初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
DAO(分散型自立組織)って?
DAO(ダオ)とは
特定の管理者などがいなくても、事業やプロジェクトを推進できる組織のことです。
正式名称はDecentralized Autonomous Organizationで、
分散型自立組織という意味です。
今までの組織体制とDAOって何がちがうの?
それぞれ解説していきます。
従来型組織
伝統的な組織体制は、
トップ(管理者)がいて、
トップが意思決定をし、利益も大きくもらう
という体制でした。
現存する国や組織のほとんどはこの従来型に入ります。
DAO(分散型自立組織)
一方で、DAO(分散型自立組織)は、
根本的な構造が異なっていて、トップがいません。
組織内で投票などにより意思決定(合意形成)をし、
貢献したメンバーに利益が分配される仕組みです。
従来型と比較すると、民主的な組織構造と言えるのではないでしょうか。
従来型組織とDAO(分散型自立組織)の比較表
従来型組織 | DAO(分散型自立組織) | |
組織構造 | 階層構造 | 上下がないフラット構造 |
意思決定 | 決定権をもつ個人もしくはグループ | DAOメンバーの投票 |
施策の実行 | 人為的に実行 | 自動的に実行 |
サービスの提供 | 人為的に実行 | 自動的に実行 |
活動履歴 | ほとんど秘匿 | すべて公開 |
利益 | 上の階層が多く得る | 貢献度によって平等に分配 |
比較してみると、何もかもが違うのが明確です。
民主主義社会とはいえ、会社などの組織は古くからトップダウンなんですよね。
DAO(分散型自立組織)の特徴って?
DAO(分散型自立組織)の特徴
・管理者(トップ)がいない
・仮想通貨(暗号資産)の投票による意思決定
・組織運営の透明性が高い
・分配する考え
・誰でも参加できる
順番に5つ解説していきます。
管理者(トップ)がいない
DAOには中央管理者と呼ばれるトップがいません。
会社組織でいうと社長、国でいうと総理大臣、
のような特定のリーダーはDAOには存在しないのです。
運営方針を決める際はコミュニティメンバーの投票で決定されます。
仮想通貨(暗号資産)の投票による意思決定
DAOの運営方針、意思決定は投票で決定されますが、
その際に仮想通貨(暗号資産)上に生成された、ガバナンストークンが用いられます。
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組織運営の透明性が高い
DAOの運営方針、意思決定を目的とした投票は、
ブロックチェーン上で行われるため不正はほぼ不可能で、
投票状況もリアルタイムに反映、公開されます。
そのため、従来型組織よりも透明性が高い運営ができるといえます。
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分配する考え
DAOではコミュニティの所有権を分配する思想が強く反映されています。
所有権とは株式会社でいう株のようなもので、
DAOの場合はガバナンストークンが所有権になります。
組織運営の貢献度合いに応じて、ガバナンストークンが分配されます。
そうすることで、幅広いステークホルダーに対して、
DAOへの貢献を自然と促すことができ、価値を更に高めようとする行動が期待できるのです。
誰でも参加できる
従来型の組織は、参加するためには試験や面接などを通過し、契約書を結ぶのが一般的です。
DAOは国籍や性別、年齢など関係なくインターネット環境さえあれば、誰でも参加ができるのです。
コミュニティによっては、顔や実名を明かさずに参加できるのが、
従来型の組織と大きく異なります。
DAO(分散型自立組織)の課題点って?
DAO(分散型自立組織)の課題点
・意思決定に時間がかかる
・ハッキングリスク
・法整備が整っていない
順番に解説していきます。
意思決定に時間がかかる
DAOは民主的な意思決定が行われるため、
良い点ではありますが時間がかかるというのは課題です。
通常時は滞りなく運営できても、緊急時はどうでしょうか。
迅速な意思決定は従来型組織の方がスピーディに行えると言えます。
ハッキングリスク
DAOにもハッキングリスクはあります。
2016年にイーサリアムのDAO「Tha DAO」がハッキング攻撃を受け、
数十億円の被害となりました。
意思決定に時間がかかるため、ハッキング被害を受けた際にどう対応するか難航する可能性が高いです。
法整備が整っていない
ほとんどの国は思想や文化は違えど従来型組織のもと成り立っています。
そのため、法律も従来型組織に則って作られてきたため、
DAOのように国や地域問わず参加できる組織とはそもそもの体制が異なるのです。
ただ、アメリカのワイオミング州では2021年にDAOを法人として認める法案が承認されているため、
徐々に浸透していく可能性はあります。
代表的なDAO(分散型自立組織)って?
代表的なDAO(分散型自立組織)
・BitDAO
・NounsDAO
・NinjaDAO
・Compound
順番に紹介していきます。
BitDAO
BitDAO(ビッダオ)は仮想通貨(暗号資産)取引所「Bybit」が主導するDAOで、
電子決済「PayPal」の創業者など数多くの著名人が資金提供したことで知られています。
NFTやDeFiに関する将来性の高いプロジェクトに資金提供すること
が目的のプロジェクトでは「BIT」というガバナンストークンが発行されています。
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NounsDAO
NounsDAO(ナウンズダオ)は、ドット絵風のキャラクターをモチーフにしたNFTアートコレクションです。
毎日1体ずつ、キャラクターが自動生成されオークションにかけられます。
その購入者が投票権を得れる仕組みとなっています。
NinjaDAO
日本最大級のDAOで、OpenSeaで取引される「CryptoNinja NFT」という公式コミュニティです。
NFTを所有していなくても、世界観に魅力を感じた人は誰でも参加可能で、
コミュニケーションツールとして様々な活動があります。
Compound
Compound(コンパウンド)は2018年にイーサリアムのブロックチェーン上に構築されたプラットフォームです。
仮想通貨(暗号資産)を管理者の仲介を受けずにユーザー同士で貸し借りをすることができ、
スマートコントラクトの機能が使われています。
ユーザーは資金を預けることでガバナンストークンの「COMP」を受け取ることができます。
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DAO(分散型自立組織)の未来ってどうなる?
一説には、今後は企業などの従来型組織から、今後はDAOでの組織運営が広まる可能性があると言われています。
企業への参入ハードルと比較するとDAOは参加しやすく、
組織運営においての民主性が高いため、
組織の規模問わずさまざまな分野で広まる可能性を秘めているのです。
そしてDAOが広まることで、各DAOに紐づくガバナンストークンの価値が高まる可能性にも期待ができます。
投資対象としても期待値が高いと言えるのではないでしょうか。
始めてみる価値はある?
ただし、今はまだ一部のユーザーしか利用していないのが現実です。
DAOへの参加、NFTや仮想通貨(暗号資産)を投資目的として購入する以外にも、
新しい技術に触れたり、コレクションをしてみる、といった理由で始めてみる方も多いです。
この機会に一度始めてみてはいかがでしょうか。
きっと今までのインターネットとは全く違う楽しみ方ができるはずですよ。